大阪府東大阪市にある近畿大学文芸学部文化デザイン学科で、2021年後期から藤田ツキトが非常勤講師をさせていただいています。今回は、プロデュースを学ぶその授業の中で、学生たちが5つのチームに分かれてSDGsをテーマに考案した「遊び」をご紹介します。5つの「遊び」はオープンソース化(無償で一般公開)して、みなさんにも遊んでいただけるようにしました。学生たちがSDGsについて考えた遊びとはどんなものなのか、ぜひダウンロードして、皆さんも遊んで体験してみてください!
まずSDGs(持続可能な開発目標)17の目標の中から学生たちにアンケートをとり、興味がある分野上位5つのテーマを決定し、抽選で5つのチームに振り分けました。
それぞれチーム名を決めた後、スゴロクやカードゲームなどSDGsをどんな「遊び」に落とし込むかを2回の授業にわたって検討。これまでの授業で学んだプロジェクトやプロデュース事例における「遊び心」や、さまざまな「社会課題×遊び」のオープンソースを生み出している陸奥賢さんをゲストに招いての「まわしよみ新聞」「直観讀みブックマーカー」「当事者研究スゴロク」の体験を生かし、わずか2回の授業とは思えないクオリティに仕上がりました。
<給食大好きチーム>が考案した『即興神対応すごろく』です。
<これだから女はチーム>が考案した『これだからジェンダーは。すごろく』です。
<田舎のヤンキーチーム>が考案した『まちづくり双六』です。
<ライフセーバーチーム>が考案した『問答合わせ〜SDGs14編〜』です。
<チーム平和>が考案した『“I have a dream” ゲーム』です。
2021年9月から2022年1月まで、全15回の授業を行いました。コロナ禍ということもあり最初はオンライン授業が中心、後半は感染状況が落ち着き対面でワーク形式の授業を実施することができました(年明けからまた爆発的に増えましたが…)。そんな状況の中、一人ひとりが真剣に授業と向き合ってくれたおかげで、社会課題への問題提起や問題解決につながる遊びを考える「遊び×SDGs」という難しいテーマを、無事に完走することができました。学生たちが考案してくれた遊びは想像以上にクオリティが高く、これはぜひ多くの皆さんにも体験していただきたいと思い、学生たちの賛同を得てオープンソース化することとなりました。
今回この授業で伝えたかったことは、これから社会に出てどんな仕事に就くにせよ、大人になっても「遊び心」がとても大切だということです。昨今はSDGsはじめ持続可能な社会に向けた動きも増えてきましたが、地球のために行動することは人間として当たり前のことです。ただそれを人間はついつい忘れてしまいます。その大事なことを思い出してもらうのに、人の心に響かせる方法として「遊び心」を取り入れることはとても重要です。大事なことだからこそ、面白く、楽しく伝える。このことを覚えておいてほしいと思います。また、コロナ禍で他者との交流が極端に減った今だからこそ、少しでも仲間と知恵を絞ってひとつのことを達成する体験をしてほしいという思いもありました。この授業が、それぞれのこれからの未来のヒントに少しでもなれば嬉しいです。
(非常勤講師:藤田ツキト)
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・直観讀みブックマーカー:公式サイトはこちら
・当事者研究スゴロク:公式サイトはこちら
・大阪日日新聞:掲載記事はこちら
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